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書誌情報

症例

中枢性睡眠時無呼吸にて発症したChiari I型奇形の1例

古賀 智絵a,* 三浦 史郎a 川口 城毅a 吉富 宗健b 内門 久明b 星野 友昭a 

a久留米大学医学部内科学講座呼吸器神経膠原病内科部門
b同 脳神経外科学講座
現 社会保険久留米第一病院内科

要旨

症例は14歳,女性.主訴は日中の倦怠感,頭重感.神経学的に特記所見なし.終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography:PSG)でapnea hypopnea index(AHI)が92.8(すべて中枢性)であり,重症の中枢性睡眠時無呼吸症候群であった.頭部MRI矢状断で小脳扁桃の大後頭孔への陥入を認め,Chiari I型奇形と診断,手術適応と判断し大後頭孔減圧術を施行した.3ヶ月後のPSGではAHIが24.2(central apnea 18.1,hypopnea 6.1),10ヶ月後ではAHI 0.8(central apnea 0.5,hypopnea 0.3)と改善した.本症例のように,Chiari I型奇形が他神経症状を伴わずに睡眠時無呼吸で発症する例はまれであるが,Chiari奇形による睡眠時無呼吸は早期の手術が望ましい.したがって,症状が睡眠時無呼吸のみであってもChiari奇形を積極的に疑い,上部頸椎レベルを含む頭部MRI矢状断を行うことが重要である.

キーワード

睡眠時無呼吸症候群 Chiari奇形 MRI 大後頭孔減圧術 

Received 12 Sep 2011 / Accepted 18 Apr 2012
連絡先:古賀 智絵
〒830-0011 福岡県久留米市旭町67
久留米大学医学部内科学講座呼吸器神経膠原病内科部門

日呼吸誌, 1(7): 548-552, 2012

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