気管病変を伴った原発性水痘肺炎の1例
栗田 裕輔a,* 高柳 昇a 石黒 卓a 多田 麻美a 鍵山 奈保a 叶内 哲b 杉田 裕a
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 放射線科
*現 東京慈恵会医科大学附属第三病院呼吸器内科
症例は31歳,男性.水痘を疑わせる皮疹が出現3日後に発熱,息切れを認め,2010年4月に埼玉県立循環器・呼吸器病センターを紹介受診した.胸部CT検査にてランダム分布を示す小粒状影と浸潤影を認め,水痘肺炎を疑った.気管支鏡検査を施行したところ,咽頭,気管に白苔を伴う小結節を認めた.気管支肺胞洗浄液より水痘ウイルスDNAを検出し,一般細菌が培養されなかったことから,原発性水痘肺炎と診断した.アシクロビルとスルバクタム/アンピシリンを投与して軽快し,退院した.胸部CT検査で,小粒状影は2010年8月に消失した.
Received 30 Mar 2012 / Accepted 21 Jun 2012
連絡先:栗田 裕輔
〒360-0105 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 2(1): 59-62, 2013