ステロイドが奏効したMPO-ANCA陽性のGoodpasture症候群の1例
安部 光洋a 須田 明a 吉田 正a 漆原 崇司a,b 笠井 大a,b 篠崎 俊秀a
a国保直営総合病院君津中央病院呼吸器科
b千葉大学医学部呼吸器内科
症例は,30年来の無治療関節リウマチの既往を有する64歳女性.非代償性の高度腎不全と貧血,I型呼吸不全にて入院となった.第1病日より持続的血液濾過透析を,第2病日より気管挿管下の人工呼吸管理を開始した.臨床的に急速進行性糸球体腎炎および肺胞出血と診断,第6病日に抗糸球体基底膜抗体およびMPO-ANCAの上昇が判明したため,MPO-ANCA陽性のGoodpasture症候群(GPS)と診断した.ステロイドのパルス療法および維持療法を行い,腎病変は維持透析導入を免れなかったものの,血漿交換や免疫抑制薬の投与を行うことなく呼吸状態は速やかに改善を認め,ステロイドの漸減によっても再発を認めなかった.
ステロイドパルス療法 抗糸球体基底膜抗体 Goodpasture症候群 MPO-ANCA
Received 13 Jan 2012 / Accepted 6 Jun 2012
連絡先:安部 光洋
〒292-8535 千葉県木更津市桜井1010
国保直営総合病院君津中央病院呼吸器科
日呼吸誌, 2(1): 18-23, 2013