感染性肺囊胞を呈しメロペネムが有効であったMycobacterium fortuitum症の1例
沖本 二郎 林 敏清 岸本 道博 川中 紀之 栗原 武幸 宮下 修行
川崎医科大学附属川崎病院総合内科学1
感染性肺囊胞を呈しメロペネム(meropenem:MEPM)が有効であったMycobacterium fortuitum症の1例を報告した.68歳の男性で,咳,痰,発熱を訴え,右上葉に,肺囊胞内の液体貯留とその周囲の浸潤影を認めた.喀痰抗酸菌塗抹は陽性(ガフキー3号)で,培養にてM. fortuitumと同定された.MEPMの投与により自覚症状,胸部画像所見は改善し,排菌も止まった.M. fortuitum症に,カルバペネム系薬が有効という病態を示した症例であった.
非結核性抗酸菌症 Mycobacterium fortuitum カルバペネム
Received 18 Oct 2011 / Accepted 14 Feb 2012
連絡先:沖本 二郎
〒700-8505 岡山市北区中山下2-1-80
川崎医科大学附属川崎病院総合内科学1
日呼吸誌, 1(5): 404-407, 2012