サルコイドーシスに合併した気管原発fibroepithelial polypの1例
依田 彩文a 中道 聖子a 吉岡寿麻子b 門田耕一郎a 井上 圭太a 土谷 智史c 竹島 史直d 坂本 憲穂e 林 徳真吉f 迎 寛g 大園 惠幸a
a長崎大学病院総合診療科
b長崎市民病院呼吸器内科
c長崎大学大学院腫瘍外科
d長崎大学病院消化器内科
e長崎大学医学部第2内科
f長崎大学病院病理部
g産業医科大学医学部呼吸器内科学
29歳男性.職場検診で胸部異常影を指摘され,長崎大学病院外来を受診した.初診時の胸部X線写真および胸部CTでは肺門・縦隔リンパ節腫脹を認め,血清ACE・リゾチームが高値を示していた.両下腿に多発していた紅斑の皮膚生検で類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシス(サ症)の診断確定に至った.精査のために施行した気管支内視鏡検査で,気管内にカリフラワー状ポリープ病変を認めた.内視鏡下に高周波スネア焼灼切除を施行したところ,病理組織診断はfibroepithelial polypであった.サ症は約2年の経過で自然軽快しており,現在まで気管ポリープの再発は認めていない.
Received 28 Sep 2011 / Accepted 13 Jan 2012
連絡先:中道 聖子
〒852-8501 長崎市坂本1-7-1
長崎大学病院総合診療科
日呼吸誌, 1(4): 354-358, 2012