mediastinal granulomaを合併した肺ヒストプラズマ症の1例
石黒 卓a 高柳 昇a 土屋 裕a 杉田 裕a 河端 美則b 亀井 克彦c
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 病理診断科
c千葉大学真菌医学研究センター
症例は42歳男性.米国から帰国後,健康診断の胸部X線にて左肺野の結節影を指摘された.1年後の胸部X線にてさらに左肺門リンパ節の腫脹を指摘され,埼玉県立循環器・呼吸器病センターを受診した.胸部CT検査では左肺の結節と左肺門・縦隔リンパ節の腫脹を認めた.結節に対し胸腔鏡下肺生検を施行した.酵母様真菌を認め,肺ヒストプラズマ症を疑った.血清抗ヒストプラズマ抗体陽性,摘出肺のpolymerase chain reaction法によりHistoplasma capsulatumの遺伝子配列と一致したことから,肺ヒストプラズマ症と診断した.縦隔リンパ節は経過,画像所見よりヒストプラズマ症による縦隔肉芽腫と考えられた.フルコナゾールの投与を開始し半年後には縦隔リンパ節の縮小を認めた.これまで我が国では,縦隔肉芽腫を合併した肺ヒストプラズマ症の報告がないため報告する.
Histoplasma capslatum ヒストプラズマ腫 縦隔肉芽腫 胸腔鏡検査 内因性再燃
Received 7 Jul 2011 / Accepted 13 Jan 2012
連絡先:石黒 卓
〒360-0105 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 1(4): 343-348, 2012