

肺動脈吸引細胞診が鑑別診断に有用だった血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例
石黒 卓a 野々上 明b 工藤 昌尚c 西村 ゆうd 清水 禎彦e
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 循環器内科
c埼玉県立がんセンター血液内科
d同 病理診断科
e埼玉県立循環器・呼吸器病センター病理診断科
症例は目立った既往のない67歳女性.入院2週間前から息切れを自覚した.近医で心不全を疑われて当院を受診,血小板減少や高LDH血症,肺野のすりガラス陰影,肝脾腫から血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma:IVLBCL)か肺動脈腫瘍塞栓症を疑った.右心カテーテル検査で軽度の肺高血圧を認め,肺動脈吸引細胞診で異型B細胞を認めた.骨髄生検と皮膚生検によりIVLBCLと確定診断,化学療法にて改善を認めた.
血管内大細胞型B細胞リンパ腫 肺動脈吸引細胞診 肺動脈腫瘍塞栓症 鑑別診断 肺
Received 7 Jan 2025 / Accepted 5 Feb 2025
石黒 卓
〒360-0105 埼玉県熊谷市板井1696
日呼吸誌, 14(3): 152-157, 2025