

DLSTが強陽性となったアパルタミドによる薬剤性肺障害の1例
a京都府立医科大学附属病院呼吸器内科
b社会医療法人誠光会淡海医療センター呼吸器内科
症例は76歳男性.20XX年9月より進行性前立腺癌に対してアパルタミド(apalutamide),デガレリクス(degarelix)による治療を開始.20XX年10月下旬より咳嗽と労作時呼吸困難が出現し,11月2日に当科を受診.胸部CTで両側肺に多発する斑状のすりガラス陰影を認めた.両薬剤の休止とステロイドパルス療法にて陰影は速やかに改善した.経過でアパルタミドに対する薬剤リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test:DLST)が強陽性と判明し,同薬剤による薬剤性肺障害を強く疑った.DLST陽性となったアパルタミドによる薬剤性肺障害の報告はこれまでなく,有用な症例と考え報告する.
薬剤性肺障害 アパルタミド デガレリクス 薬剤リンパ球刺激試験
Received 20 Nov 2024 / Accepted 27 Jan 2025
神田 響
〒525–8585 滋賀県草津市矢橋町1660
日呼吸誌, 14(3): 147-151, 2025