エベロリムス溶出性冠動脈ステントによる重症薬剤性肺障害が疑われた1例
嶋田 有里 伊東 友好 吉村聡一郎 石山 福道 曽根 莉彩 稲田 祐也
関西電力病院呼吸器内科
症例は48歳男性.急性心筋梗塞で当院に入院となりエベロリムス溶出性冠動脈ステントが留置された.X+10日頃から両肺野の透過性低下を認め広域抗菌薬の投与,心不全治療の強化をされたが,呼吸状態が悪化しX+17日に人工呼吸管理を開始となった.メチルプレドニゾロンパルス療法後にプレドニゾロン維持投与,リコンビナントトロンボモジュリンの併用で両肺野の陰影および呼吸状態は一旦改善したが,再度増悪しX+33日に永眠した.エベロリムス溶出性冠動脈ステントによる薬剤性肺障害が疑われたため報告する.
薬剤溶出性ステント エベロリムス 薬剤性肺障害 びまん性肺胞傷害
Received 9 Jul 2024 / Accepted 15 Oct 2024
嶋田 有里
〒553–0003 大阪市福島区福島2–1–7
関西電力病院呼吸器内科
日呼吸誌, 14(1): 43-48, 2025