多彩な症状を呈し,メポリズマブが奏効した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
神宮 大輔 生方 智 佐藤 幸佑 矢島 剛洋 渡辺 洋 高橋 洋
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科
46歳,男性.両下腿の紅斑および水疱様皮疹の治療中に肺病変・呼吸不全を呈した.ステロイド治療を開始しつつ,精査を行い好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断した.ステロイド漸減中に非対称性浮腫,筋肉痛,筋腫大,神経障害が出現し,末梢血好酸球数の再上昇を認めた.ステロイド再増量で症状は軽快し,ステロイド減量のため,メポリズマブ(mepolizumab)を導入したところ,症状再燃なくステロイドを減量できた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は呼吸器症状以外に多彩な症状を呈することに留意し,新規知見を集積していくことが重要である.
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 メポリズマブ 好酸球 抗好中球細胞質抗体 再燃
Received 18 Jun 2024 / Accepted 26 Sep 2024
神宮 大輔
〒985–8506 宮城県塩釜市錦町16–5
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科
日呼吸誌, 14(1): 34-38, 2025