肺腺癌術後17年目で再発したと考えられた髄膜癌腫症の1例
伊藤 沙妃 藤原 美穂 工藤健一郎 光宗 翔 岩本 佳隆 藤原 慶一
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科
症例は69歳,女性.20XX-17年に左下葉肺腺癌に対して左下葉切除術を施行した(pStage ⅠA).20XX年に見当識障害や歩行障害が出現し,頭部造影MRIから髄膜炎が疑われた.腰椎穿刺を施行し髄液細胞診から上皮性悪性腫瘍による髄膜癌腫症が疑われた.CEAも高値であり,手術検体と髄液からEGFR deletion 19を検出し,術後再発としての髄膜癌腫症と診断した.オシメルチニブ(osimertinib)投与後,神経症状とCEA高値は改善した.肺腺癌術後17年目に髄膜癌腫症で再発を認めた非常に稀な症例と考えられたため報告する.
Received 14 Aug 2024 / Accepted 11 Nov 2024
藤原 美穂
〒701–1192 岡山県岡山市北区田益1711–1
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 14(1): 24-28, 2025