肺癌に合併した鼠径・骨盤内キャッスルマン病の1例
a西脇市立西脇病院呼吸器内科
b同 病理診断科
症例は69歳,男性,胸部CTで左上葉結節影を認め,気管支鏡下肺生検で肺腺癌と診断された.胸腹部造影CTでは両側鎖骨上に造影効果を伴わないリンパ節腫大を,右鼠径,骨盤内に早期に強く造影されるリンパ節腫大を認めた.FDG-PET/CTでは右鼠径・骨盤リンパ節は鎖骨上リンパ節よりFDG集積が弱かった.肺癌以外の疾患合併を疑い右鼠径リンパ節生検を施行した.病理診断で特発性多中心性キャッスルマン病と診断された.悪性腫瘍に合併するリンパ節腫大を転移性病変と判断ができないときは積極的に生検を行うことが重要である.
Received 30 Aug 2024 / Accepted 5 Nov 2024
辰岡 浩樹
〒677-0043 兵庫県西脇市下戸田652-1
西脇市立西脇病院呼吸器内科
日呼吸誌, 14(1): 20-23, 2025