巨大な空洞を呈した浸潤性粘液性腺癌の1切除例
丸山 総一a 大野 慧介b 大石 展也a 髙橋 太郎a 小林 大輔c 杉山幸比古a
a公益社団法人地域医療振興協会練馬光が丘病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c同 病理診断科
症例は70歳代女性.咳嗽を主訴に当科を受診し,造影CTで低吸収域の浸潤影内に明瞭な血管影と5cm大の巨大な空洞を認めた.開胸手術で得られた病変は14×15×9 cm大であった.空洞は気管支近傍にあり,線維性壁に覆われていた.粘液産生が確認され,浸潤性粘液性腺癌(IMA)を組織型とするpT4N0M0, pStage ⅢAの左下葉肺癌と診断した.IMAは肺炎に類似した所見を呈することが多いが,本例のように巨大な空洞形成を伴うことがあることを認識しておく必要がある.
Received 11 Jun 2024 / Accepted 16 Oct 2024
丸山 総一
〒179-0072 東京都練馬区光が丘2-5-1
a公益社団法人地域医療振興協会練馬光が丘病院呼吸器内科
日呼吸誌, 14(1): 15-19, 2025