COVID-19患者におけるPCR検査陽性期間の関連因子の検討
渡 直和a,b 松本奈穂子a 眞田 哲郎a,b 泉 祐介a 若林 優a 谷脇 雅也a 大橋 信之a,c 山﨑 正弘a
a広島赤十字・原爆病院呼吸器内科
b広島大学大学院分子内科学
c大橋内科医院
COVID-19の診断にPCR検査は有用だが,症状改善後もPCR検査陽性は続くことがあり医療施設内での隔離解除の判断が難しくなることがある.今回,当院のCOVID-19入院症例226例(2022年1月1日〜2023年5月8日)の患者背景を抽出し,PCR検査陽性期間に関連する因子を検討した.高齢,糖尿病,血液悪性腫瘍,悪性リンパ腫,B細胞枯渇療法といった免疫抑制状態の症例ではPCR検査陽性が有意に延長していた.これらの症例では長期のウイルス排出が報告されており隔離解除には注意が必要である.
新型コロナウイルス感染症 PCR検査 血液悪性腫瘍 悪性リンパ腫 B細胞枯渇療法
Received 22 Jul 2024 / Accepted 24 Sep 2024
松本 奈穂子
〒730-8619 広島県広島市中区千田町1丁目9番6号
広島赤十字・原爆病院呼吸器内科
日呼吸誌, 14(1): 2-8, 2025