免疫チェックポイント阻害薬(ICI)地固め療法中に再燃したEGFR遺伝子変異陽性肺多形癌にICI再投与が長期奏効した1例
森永 有美a,b 池澤 靖元a,b 佐藤 祐麻b 西村 弘基a,b 外丸 詩野c 河井 康孝a
a王子総合病院呼吸器内科
b北海道大学病院呼吸器内科
c北海道大学病院病理部/病理診断科
症例は54歳女性.健診で異常影の精査の結果,肺多形癌cT4N0M0 Stage ⅢA,EGFR遺伝子変異陽性,PD-L1発現>75%と診断した.化学放射線療法後に維持療法としてデュルバルマブ(durvalumab)を7コース施行時点で再発し,殺細胞性抗がん剤,EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)での治療後に,四次治療としてペムブロリズマブ(pembrolizumab)を開始し,腫瘍の著明な縮小を認め2年以上にわたり奏効を維持している.EGFR遺伝子変異陽性の肺多形癌の症例においてPD-L1発現状況や治療経過などもふまえ,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)再投与も検討の余地があると考えられた.
肺多形癌 PD-L1高発現 EGFR遺伝子変異 ペムブロリズマブ
Received 18 Aug 2024 / Accepted 2 Sep 2024
池澤 靖元
〒060–8648 北海道札幌市北区北14条西5丁目
王子総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(6): 277-281, 2024