再生検を繰り返し,診断3年後にRET融合遺伝子変異を証明しえた肺腺癌の1例
高知医療センター呼吸器内科
症例は54歳男性.肺腺癌に対して一次治療中,左癌性胸膜炎を発症し,ドライバー遺伝子検索のため局所麻酔下胸腔鏡検査で初回再生検するも少量の腺癌細胞しか得られず,検索できなかった.3年後,三次治療中,原発巣の増大を認め,極細径気管支鏡とrapid on-site cytologic evaluation(ROSE)を用いて,2回目再生検を行い,肺がんコンパクトパネルⓇ検査にてRET融合遺伝子を検出した.四次治療としてセルペルカチニブ(selpercatinib)を投与し,原発巣と胸膜播種は縮小した.
再生検 RET融合遺伝子 肺癌マルチ遺伝子検査 極細径気管支鏡
Received 25 Jun 2024 / Accepted 9 Aug 2024
山根 高
〒781–8555 高知県高知市池2125–1
高知医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 13(6): 272-276, 2024