Raoultella ornithinolytica肺炎から肺癌診断に至った1例
a医療法人秀和会秀和総合病院呼吸器内科
b東京医科歯科大学病院総合教育研修センター
75歳男性.右上葉に周囲にすりガラス陰影を伴う浸潤影・縦隔リンパ節腫大を認めた.右上葉の浸潤影に対する気管支鏡検査にて悪性細胞は認めず洗浄液からRaoultella ornithinolyticaが検出され肺化膿症と診断した.抗菌薬ですりガラス陰影は消退したが浸潤影・縦隔リンパ節は増大した.縦隔リンパ節に対し超音波気管支鏡ガイド下針生検を施行し肺扁平上皮癌と診断した.化学療法で浸潤影・縦隔リンパ節は縮小した.肺感染症の治療経過において,陰影の再増大を認めた際には肺癌の合併を考慮することが望ましい.
Received 15-Apr-24 / Accepted 2-Jul-24
貫井 義久
〒344–0035 埼玉県春日部市谷原新田1200
医療法人秀和会秀和総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(5): 260-264, 2024