新型コロナワクチン接種後に発症した小細胞肺癌合併抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎の1例
名古屋セントラル病院呼吸器内科
症例は77歳女性.3回目の新型コロナワクチン接種後に皮疹と筋肉痛,筋力低下が出現し,後に嚥下障害も発症した.CTで右下葉腫瘤影を認め,各種精査で進展型小細胞肺癌および抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎と診断した.化学療法とステロイド投与で肺癌の病勢も皮膚筋炎症状も改善した.新型コロナワクチン接種後に皮膚症状や筋症状を認めた際は,皮膚筋炎の可能性を考慮する必要がある.
新型コロナウイルス感染症 ワクチン 皮膚筋炎 抗TIF1-γ抗体 小細胞肺癌
Received 3-Apr-24 / Accepted 5-Jun-24
冨田 洋樹
〒453–0801 愛知県名古屋市中村区太閤3–7–7
名古屋セントラル病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(5): 255-259, 2024