喘息に合併し,運動誘発喘息との鑑別を要した運動誘発性喉頭閉塞症の1例
小澤 優a 森島 祐子b 中村 研太a 松本 信c 大谷真喜子d 檜澤 伸之b
a筑波大学附属病院呼吸器内科
b筑波大学医学医療系呼吸器内科
c同 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
d和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
18歳の男子運動選手.3年前に喘息と診断され,標準治療で症状は軽快したが,数ヶ月前より高強度の運動で呼吸困難が生じ競技に参加できなくなった.症状出現直後の喉頭内視鏡では吸気時に喘鳴とともに喉頭披裂部楔状結節上の余剰粘膜の内転がみられ,運動誘発性喉頭閉塞症と診断した.保存的治療と外科治療が奏効し,競技生活に復帰した.本病態は運動誘発喘息との鑑別が重要であり,吸気性の喘鳴,運動中止による速やかな症状改善,気管支拡張薬の予防吸入が無効であることなどから運動誘発性喉頭閉塞症を疑う必要がある.
Received 8-Apr-24 / Accepted 16-May-24
森島 祐子
〒305–8575 茨城県つくば市天王台1–1–1
筑波大学附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(5): 245-249, 2024