黄疸で受診し,肺,肝,胆管,縦隔リンパ節に病変を認めた外国出生若年者結核
尾下 豪人a 沼尾 規且b 松田 賢介b 吉岡 宏治a 池上 靖彦a 山岡 直樹a
a国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
b同 消化器内科
症例は28歳のフィリピン出身男性.黄疸にて消化器内科を受診した.腹部造影CTで肝内低吸収域,肝内胆管の拡張を指摘された.胸部画像検査で両肺上葉の浸潤影を指摘され,喀痰で結核菌群PCR陽性が判明した.内視鏡的逆行性胆管造影を行い,胆管狭窄に対してステントを留置した.胆管狭窄部の内視鏡的生検では結核に矛盾しない病理像を認めた.嚥下された結核菌が胆管から侵入し,肝胆道系に病変を生じたと考えられる稀少な症例であった
Received 2-May-24 / Accepted 6-Jun-24
尾下 豪人
〒730–0822 広島県広島市中区吉島東3–2–33
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(5): 241-244, 2024