経気管支凍結肺生検でDIP様所見を呈した,IgG4陽性間質性肺炎の1例
高野慧一郎a 高橋 守a 永山 大貴a 古川 絢登a 高橋 裕樹b 千葉 弘文a
a札幌医科大学医学部 呼吸器・アレルギー内科学講座
b同 免疫・リウマチ内科
症例は73歳の現喫煙の男性.労作時の息切れと咳嗽が出現し,胸部CTで両肺下葉末梢領域優位に嚢胞とすりガラス陰影を認めた.経気管支凍結肺生検の病理組織像では剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia:DIP)様所見を呈したが,血清IgG4値の上昇があり,免疫染色にてIgG4陽性の形質細胞浸潤を認めた.閉塞性静脈炎や花筵状線維化は認めなかった.DIP様所見を呈し,IgG4陽性細胞の浸潤を伴う間質性肺炎と診断した.禁煙治療で改善なく,プレドニゾロン(prednisolone:PSL)を開始し,陰影と臨床症状は改善した.
経気管支凍結肺生検 IgG4関連呼吸器疾患 剥離性間質性肺炎
Received 25-Mar-24 / Accepted 21-May-24
高野 慧一郎
〒060–8543 北海道札幌市中央区南1条西16丁目291
札幌医科大学医学部 呼吸器・アレルギー内科学講座
日呼吸誌, 13(5): 237-240, 2024