Ⅳ期原発性肺癌に合併した乳び胸に対してリンパ管造影が有効であった1例
中島 早希a 芦田 美緒a 渡邊 暁a 宇都宮琢秀a 堺 幸正b 工藤 慶太a
a独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター腫瘍内科
b同 放射線科
症例は71歳女性.左胸水精査で受診し原発性肺腺癌Stage ⅣAと診断した.ゲフィチニブ(gefitinib)での治療中,右肺門部リンパ節の腫大および肺内転移,右胸水貯留を認めた.胸水の性状は乳び様であった.2次治療としてオシメルチニブ(osimertinib)を開始し腫瘍は縮小したが胸水は増加が続いた.食事療法では改善せずリンパ管造影を施行したところ,漏出部位は特定困難であったが乳び胸水の減少を認めた.非外傷性の乳び胸に対しリンパ管造影自体が治療の一助となり得る.
Received 25-Dec-23 / Accepted 17-May-24
工藤 慶太
〒586–8521 大阪府河内長野市木戸東町2–1
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター腫瘍内科
日呼吸誌, 13(5): 218-222, 2024