原発性卵巣癌との鑑別を要した小細胞肺癌による卵巣転移の1例
栁井 謙佑 眞水 飛翔 畠山 琢磨 石川 大輔 河上 英則 石田 卓士
新潟県立中央病院呼吸器内科
症例は69歳女性.腰痛の精査で左卵巣腫瘍を認め,当院を紹介された.CTで左卵巣腫瘍以外に左肺腫瘍,多発肝転移,多発骨転移,多発リンパ節転移を認めた.骨転移に対して放射線治療を開始し,左卵巣腫瘍を外科的に生検した.組織診では小細胞癌であり,免疫染色でthyroid transcription factor-1(TTF-1)が陽性であった.画像所見や病理所見から小細胞肺癌の卵巣転移と診断した.小細胞肺癌の卵巣転移は稀であり卵巣癌と鑑別が困難であるため画像所見や病理所見から総合的に判断する必要がある.
Received 13-Feb-24 / Accepted 28-May-24
栁井 謙佑
〒943–0192 新潟県上越市新南町205
新潟県立中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(5): 208-212, 2024