リポソーム化アミカシン吸入療法を行った難治性肺MAC症11例の後方視的検討
尾下 豪人a 池上 靖彦a 緒方 美里a 井上亜沙美a 佐野 由佳a 吉岡 宏治a 宮原 栄治b 山岡 直樹a
a国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
当院でアミカシン硫酸塩吸入用製剤(ALIS)を投与した肺MAC症患者11例を対象として,ALISの細菌学的効果と関連する臨床的特徴を,排菌量および画像所見を含めて検討した.6ヶ月以内に排菌陰性化が確認できたのは11例中4例で,うち2例はマクロライド耐性例だった.排菌陰性化例はNICEスコアの合計値,空洞および上肺野の値が有意に低値だったほか,排菌量が少なく,CRPと血沈が低値だった.ALIS開始前の排菌量,炎症,病変の分布や形態がALISの効果に影響する可能性がある.
アミカシン硫酸塩吸入用製剤 肺非結核性抗酸菌症 Mycobacterium avium complex(MAC) 排菌陰性化 NICEスコア
Received 25-Apr-24 / Accepted 26-Jun-24
尾下 豪人
〒730–0822 広島県広島市中区吉島東3–2–33
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(5): 203-207, 2024