粘液栓と解離した部位に好酸球性肺炎を発症したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症
秋山 勇人a 石黒 卓a 髙田 直美b 髙久洋太郎a 清水 禎彦c
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 放射線診断科
c同 病理診断科
喘息治療中の65歳女性.発熱,末梢血好酸球増多,および胸部CTで両側上葉主体の浸潤影,すりガラス陰影,右肺B9bの高吸収な構造を有する限局性の気管支拡張を認めた.気管支鏡検査にて右肺B9から好酸球の集簇を伴う粘液栓を採取した.血清IgE高値,Aspergillus fumigatusの沈降抗体陽性からアレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断した.本例は気管支拡張像が右肺B9bに限局し,肺野に広範な好酸球性肺炎を認めた.本症に伴う好酸球性肺炎の機序を考察する貴重な症例と考えた.
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 中枢性気管支拡張 好酸球性肺炎 気管支粘液栓 粘液栓
Received 10 Jan 2024 / Accepted 18 Mar 2024
石黒 卓
〒360–0197 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 13(4): 198-201, 2024