多臓器から生検を行い診断した播種性非結核性抗酸菌症の1例
中井知帆香a,* 米田 太郎a 掛下 和幸a 佐伯 啓吾a 森田 弘子b 木場 隼人c
a国民健康保険小松市民病院呼吸器内科
b森田病院内科
c金沢大学附属病院呼吸器内科
*現所属:石川県立中央病院呼吸器内科
78歳男性が発熱,倦怠感,腰痛を主訴に来院した.CTでは右肺中葉の浸潤影,多発骨病変,多発膿瘍形成を認めた.気管支鏡検査,骨髄穿刺,CTガイド下骨生検を行い,Mycobacterium intracellulareが検出されたため播種性非結核性抗酸菌症と診断した.また,抗IFN-γ中和自己抗体が陽性であった.内服治療で症状は改善し,CRPやsIL-2R,ALPも低下した.播種性非結核性抗酸菌症は骨病変を伴うことが多く,確定診断には複数部位からの生検が有用である.
播種性非結核性抗酸菌症 可溶性インターロイキン2受容体 抗インターフェロン-γ中和自己抗体
Received 20 Nov 2023 / Accepted 27 Mar 2024
中井 知帆香
〒923–8560 石川県小松市向本折町ホ60
国民健康保険小松市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(4): 170-174, 2024