妊娠中に再燃し,早期発見が困難であった肺非結核性抗酸菌症の1例
尾下 豪人 井上亜沙美 佐野 由佳 吉岡 宏治 池上 靖彦 山岡 直樹
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
症例は45歳女性.約3年半前まで肺Mycobacterium intracellulare症に対して多剤併用療法が行われ,排菌陰性化した.出産後から湿性咳嗽が出現し,胸部CTで両肺に多発する粒状影,分枝状影を指摘され,喀痰からM. intracellulareが再検出された.関節リウマチ合併,抗TNF製剤・ステロイド長期投与,低体重があり,再燃に注意を要する症例であったが,妊娠中は画像検査を控えたため早期発見が困難であった.肺非結核性抗酸菌症の周産期管理は重要な臨床課題である.
Mycobacterium intracellulare 肺非結核性抗酸菌症 妊娠 関節リウマチ 低体重
Received 9 Jan 2024 / Accepted 15 Mar 2024
尾下 豪人
〒730–0822 広島県広島市中区吉島東3–2–33
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(4): 165-169, 2024