抗MDA5抗体,抗ARS抗体がともに陽性であった皮膚筋炎関連間質性肺炎の1例
藤原 美穂a 渡邉 洋美a 郷田 真由a 藤原 慶一a 太田 康介b 柴山 卓夫a
a独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科
b同 リウマチ科
症例は66歳,男性.発熱,倦怠感を主訴に受診した.典型的な皮膚所見,筋肉痛,筋力低下,間質性肺炎,抗MDA5抗体,抗ARS抗体陽性を認め,皮膚筋炎関連間質性肺炎と診断した.間質性肺炎の進行は緩徐であり,筋炎症状が主体であった.ステロイド,タクロリムス(tacrolimus),シクロホスファミド(cyclophosphamide)投与,免疫グロブリン大量療法を行ったが,真菌,サイトメガロウイルス感染症を合併し第50病日に死亡した.抗MDA5抗体,抗ARS抗体ともに陽性かつ筋炎症状主体で貴重な症例と考えられたため報告する.
Received 15 Nov 2023 / Accepted 10 May 2024
藤原 美穂
〒701–1192 岡山県岡山市北区田益1711–1
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 13(4): 148-154, 2024