気管支原性嚢胞,肺葉外肺分画症,気管支閉鎖症が併存した1例
東口 将佳a,* 福井絵里子b 永田 秀樹b 松本 智成a 秦 明典c 森井 英一d 新谷 康b
a一般財団法人大阪府結核予防会大阪複十字病院内科
b大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
c同 放射線統合医学講座放射線医学教室
d同 病態病理学講座
*現所属:市立吹田市民病院呼吸器・リウマチ科
症例は39歳,男性.左背部痛を主訴に前医を受診.胸部CTにて異常陰影を認めたため,当院を紹介受診.35歳時に左気胸の既往があった.胸部造影CTで左肺縦隔側の結節影,左肺背側縦隔側に楔状の軟部陰影,左肺下葉S6に限局する気腫性変化を認めた.手術所見および病理組織学的所見から気管支原性嚢胞,肺葉外肺分画症,気管支閉鎖症と診断した.3つの先天性肺疾患が偶然合併する可能性は低いと考えられ,単一の原因で複数の先天性肺疾患が引き起こされた可能性が考えられた.本症例は先天性疾患の病因論に示唆を与える.
Received 27 Oct 2023 / Accepted 16 Feb 2024
東口 将佳
〒572–0850 大阪府寝屋川市打上高塚町3–10
一般財団法人大阪府結核予防会大阪複十字病院内科
日呼吸誌, 13(3): 126-130, 2024