ICI治療中のCOVID-19ワクチン接種後にAIHAが増悪したLCNECの1例
陣野 一輝 塩津 伸介* 松本 祥生 田中 駿也 弓場 達也 内匠千惠子
京都第一赤十字病院呼吸器内科
*現所属:京都第二赤十字病院呼吸器内科
症例は50歳男性.自己免疫性溶血性貧血を合併した肺原発大細胞神経内分泌癌に対する複合免疫療法中にCOVID-19ワクチンを接種した.接種2週間後に貧血の進行と左上肢腫脹を認め入院となった.直接Coombs試験陽性,間接ビリルビン・LDH・網状赤血球数が上昇傾向であり,自己免疫性溶血性貧血の再燃と診断した.ステロイドの増量により速やかに貧血の改善を認めた.免疫チェックポイント阻害薬治療中にCOVID-19ワクチンを接種する際は,自己免疫性疾患や腫瘍随伴症候群の増悪に注意する必要がある.
自己免疫性溶血性貧血 大細胞神経内分泌癌 免疫チェックポイント阻害薬 新型コロナウイルス感染症 ワクチン接種
Received 5 Dec 2023 / Accepted 31 Jan 2024
塩津 伸介
〒605–0981 京都府京都市東山区本町15–749
京都第一赤十字病院呼吸器内科
*現所属:京都第二赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(3): 101-105, 2024