喘息患者における吸入手技の現状評価
濱田 哲a,b 玉井 浩二a,c 渡邊 アヤa,c 平井 豊博c 杉田 直哉d
a綾部市立病院呼吸器内科
b京都大学大学院医学研究科呼吸不全先進医療講座
c同 呼吸器内科学
d綾部市立病院薬剤部
吸入手技エラーの頻度や特徴は,世界中で検討されてきたが,わが国では吸入指導に重点が置かれ,吸入手技の現状評価はほとんど行われていない.そこで喘息患者における吸入デバイスごとの吸入手技エラーを検討した.吸入手技エラーの頻度は,25.7~71.4%であり,吸入デバイスごとに異なることが示された(p=0.0005).一方で吸入手技エラーや肺に薬剤到達が不十分となる可能性がある重大エラーは,喘息コントロールと関連しなかった.以上より,各々の吸入デバイスの特徴に合わせた吸入指導を工夫していく必要があると考えられた.
Received 12 Oct 2023 / Accepted 21 Feb 2024
濱田 哲
〒606–8501 京都府京都市左京区吉田近衛町
京都大学大学院医学研究科呼吸不全先進医療講座
日呼吸誌, 13(3): 89-95, 2024