肺の拡張障害を呈した胸膜アミロイドーシスの1例
角本 慎治* 実綿 慶 多田 慎平 北原 良洋 新谷 貴洋 髙蓋 寿朗
広島市立舟入市民病院内科
*現所属:JA尾道総合病院呼吸器内科
症例は60歳男性.労作時呼吸困難と多量の右胸水の精査目的に当科に入院した.胃粘膜と骨髄の生検結果からALアミロイドーシスと診断された.胸水は血性でリンパ球優位の滲出性胸水であり,Cope針による右壁側胸膜の生検でアミロイド沈着を認め,胸膜アミロイドーシスによる胸水と考えた.胸腔ドレナージ後に呼吸困難は軽減したが,右肺の拡張障害を認めunexpandable lungと考えた.化学療法を7コース施行後もunexpandable lungと右胸水貯留は持続しているが,呼吸困難の再増悪は認めていない.
Received 27 Mar 2023 / Accepted 13 Nov 2023
角本 慎治
〒730–0844 広島県広島市中区舟入幸町14–11
広島市立舟入市民病院内科
*現所属:JA尾道総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(2): 83-87, 2024