SGLT2阻害薬投与後に発症した胸痛を主訴に来院したHamman症候群の1例
永野 喜信a 田口 真人a 中川 龍星b 笹本 磨央a 川上 毅a 近藤 享子a
a小張総合病院呼吸器内科
b茨城西南医療センター病院呼吸器内科
症例は16歳,男性.嘔吐を主訴に他院を受診.2型糖尿病を疑われトホグリフロジン(tofogliflozin)が開始された.6日後に胸痛,呼吸困難を自覚し救急要請.縦隔気腫および糖尿病性ケトアシドーシスを認めHamman症候群と診断し入院した.治療が奏効し第23病日に退院した.Sodium glucose cotransporter(SGLT)2阻害薬が関与しているHamman症候群は我々が調べた範囲では報告論文がなく,貴重な症例と考えられたため報告する.
縦隔気腫 糖尿病性ケトアシドーシス Hamman症候群 トホグリフロジン
Received 27 Apr 2023 / Accepted 10 Oct 2023
近藤 享子
〒278–8501 千葉県野田市横内29–1
小張総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(1): 39-43, 2024