アルミニウム鋳物鋳造業者に生じたアルミニウム肺の1例
暮部 裕之a,b 枝廣 龍哉a,c 山本 悠司a,c 森山 寛史d,e 菊地 利明e 森 雅秀a
a国立病院機構大阪刀根山医療センター呼吸器内科
b日本生命病院呼吸器・免疫内科
c大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学
d国立病院機構西新潟中央病院呼吸器内科
e新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器・感染症内科学分野
労作時呼吸困難で発症した64歳男性.アルミニウム鋳物鋳造に44年間従事.胸部CTで両肺下葉中心に蜂巣肺とびまん性の濃度上昇,PR3-ANCA陽性で,拘束性換気障害を呈した.胸腔鏡下肺生検では血管炎はなく,アルミニウムなど種々の金属元素の沈着を確認し,アルミニウム肺と診断した.ステロイドの効果は乏しく,その後呼吸不全が進行し5年半後に永眠された.PR3-ANCAはステロイド導入後は陰性が持続した.
Received 19 Jul 2023 / Accepted 18 Oct 2023
森 雅秀
〒560–8552 大阪府豊中市刀根山5–1–1
国立病院機構大阪刀根山医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 13(1): 33-38, 2024