ニラパリブによる薬剤性肺障害の1例
米澤 利幸a 宮良 沙織a 守田 紀子b 若槻 明彦b 伊藤 理a
a愛知医科大学呼吸器・アレルギー内科
b同 産婦人科
症例は80歳,女性.左卵巣癌stage Ⅲcに対し,手術および術後化学療法を行った後,poly ADP-ribose polymerase(PARP)阻害薬ニラパリブ(niraparib)を開始した.内服開始5ヶ月後に胸部CTにてすりガラス陰影が出現し,入院した.気管支肺胞洗浄液のリンパ球増多および臨床経過から,ニラパリブによる薬剤性肺障害と診断した.ニラパリブ休薬後も病状は進行し,ステロイド治療により軽快した.PARP阻害剤は適応が広がりつつあり,薬剤性肺障害の合併に留意する必要がある.
ニラパリブ Poly ADP-ribose polymerase(PARP)阻害薬 薬剤性肺障害 薬剤リンパ球刺激試験
Received 31 Jul 2023 / Accepted 25 Sep 2023
米澤 利幸
〒480–1195 愛知県長久手市岩作雁又1–1
愛知医科大学呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 13(1): 28-32, 2024