緑膿菌肺化膿症に対しセフトロザン/タゾバクタムの長期継続で治療効果を得られた1例
池田 早織a 鳥山 和俊a 渡邊 景明a 関谷 紀貴b 細見 幸生a
a東京都立駒込病院呼吸器内科
b同 感染制御科
非小細胞肺癌Stage ⅢBに対して同時化学放射線療法施行中の66歳男性.菌血症を伴う緑膿菌による肺化膿症を発症した.臨床経過が不良のため採取した喀痰培養から治療に用いたピペラシリン/タゾバクタム(piperacillin/tazobactam:PIPC/TAZ)とメロペネム(meropenem:MEPM)が耐性であることが順次判明したため,セフトロザン/タゾバクタム(ceftlozan/tazobactam:CTLZ/TAZ)に変更,その後は自他覚症状の改善が得られた.同剤を5週間継続し,計8週間治療後にレボフロキサシン(levofloxacin:LVFX)内服に移行した.長期治療が必要で耐性緑膿菌が問題となる状況では,セフトロザン/タゾバクタムは効果的な治療オプションとなり得る.
Received 14 Sep 2023 / Accepted 5 Oct 2023
池田 早織
〒113–8677 東京都文京区本駒込3–18–22
東京都立駒込病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(1): 18-22, 2024