多剤併用療法を行ったMycobacterium intracellulareとM. abscessus subsp. abscessusの重複感染例
尾下 豪人 井上亜沙美 佐野 由佳 吉岡 宏治 池上 靖彦 山岡 直樹
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
症例は59歳女性.下気道検体からMycobacterium intracellulareとM. abscessus subsp. abscessusが検出された.重複感染と考え,イミペネム/シラスタチン(imipenem/cilastatin:IMP/CS),アミカシン(amikacin:AMK),アジスロマイシン(azithromycin:AZM),エタンブトール(ethambutol:EB),シタフロキサシン(sitafloxacin:STFX),クロファジミン(clofazimine:CLF)を投与したところ,画像所見の改善が得られた.その後はAMK点滴と内服抗菌薬を継続した.非結核性抗酸菌の重複感染例の管理は臨床課題であり,治療法の選択には薬剤感受性試験が重要である.
Received 23 Aug 2023 / Accepted 15 Sep 2023
尾下 豪人
〒730–0822 広島県広島市中区吉島東3–2–33
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(1): 14-17, 2024