粉状酸化チタン吸入によるじん肺の1例
岡山ろうさい病院内科
粉状酸化チタンの袋詰め作業を20年以上行うことによって発生したじん肺症例を報告する.胸部単純X線上全肺野にすりガラス様陰影を認め,high-resolution computed tomography(HRCT)により小葉中心性の辺縁不明瞭な粉じん沈着が示唆され,気管支肺胞洗浄および肺生検により酸化チタンであることを確認した.主な沈着部位は肺動脈および細気管支周囲であり,縦隔のみならず腹腔内リンパ節腫大があり,CT値は180~320HUと高吸収であった.胸部HRCTにて軽い肺の線維化病巣が示唆され,生検にて確認した.
酸化チタン 袋詰め じん肺 肺胞マクロファージ 小葉中心性粉じん沈着
Received 29 May 2023 / Accepted 23 Aug 2023
岸本 卓巳
〒702–8055 岡山県岡山市南区築港緑町1–10–25
岡山ろうさい病院内科
日呼吸誌, 12(6): 329-333, 2023