COVID-19に播種性クリプトコッカス症の合併が病理解剖で認められた1例
飯塚 秀人 福井 崇大 宮崎 雅寿 入江 秀大 舩津 洋平 黄 英文
国家公務員共済組合連合会立川病院呼吸器内科
症例は83歳男性.2021年1月にCOVID-19で前医入院となり,各種治療にも反応せずARDSに至った.ステロイドパルス療法を2度施行するも酸素化が悪化したため,当院へ転院となった.当院ではステロイドパルス療法に加えトシリズマブ(tocilizumab)の投与を行ったがさらに状態悪化し,第58病日に死亡した.病理解剖の結果,併存症として播種性クリプトコッカス症の存在が明らかになった.治療に伴う免疫不全の結果,播種性クリプトコッカスが合併したものとして,教訓的と考えられた.
新型コロナウイルス感染症 急性呼吸促迫症候群 ステロイドパルス療法 トシリズマブ 播種性クリプトコッカス症
Received 11 Oct 2022 / Accepted 2 Jun 2023
福井 崇大
〒190–8531 東京都立川市錦町4–2–22
国家公務員共済組合連合会立川病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(5): 283-287, 2023