免疫能正常者に発症し外科的切除にて治癒した孤立性肺ムコール症の1例
a福岡県済生会飯塚嘉穂病院呼吸器内科
b独立行政法人国立病院機構福岡病院呼吸器内科
*現所属:国家公務員共済組合連合会千早病院呼吸器内科
症例は67歳,男性.胸部CTにて左肺下葉に腫瘤影を認めたため当科紹介となった.画像所見より原発性肺癌が疑われ,FDG-PET/CT検査にて同部位にFDG高集積を認めたが,気管支鏡検査では悪性所見を認めなかった.左肺下葉切除術を行ったところ,生検組織のPAS/Grocott染色で特徴的な菌糸を認め,肺ムコール症の診断となり,以後再発を認めず経過した.免疫能正常者に発症し,外科的切除にて治癒した肺ムコール症であり,稀な症例として報告する.
肺ムコール症 外科的切除 免疫能正常者 18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography/computed tomography(FDG-PET/CT)
Received 22 Mar 2023 / Accepted 21 Jun 2023
有森 陽二郎
〒820–0076 福岡県飯塚市太郎丸265
a福岡県済生会飯塚嘉穂病院呼吸器内科
*現所属:国家公務員共済組合連合会千早病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(5): 279-282, 2023