肺癌の病勢悪化に伴い抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎を発症した1例
小牟田清英a 田中 智a 内田 純二a 伏見 博彰b 上野 清伸a
a大阪急性期・総合医療センター呼吸器内科
b同 病理科
症例は75歳女性.20XX-2年7月に右下葉肺腺癌 cT2aN3M1a Stage ⅣAと診断した.EGFR L861Q変異を検出し,オシメルチニブ(osimertinib)を開始した.約2年後,肺癌の増悪と同時期に抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎を発症し,腫瘍随伴症候群と考えた.肺癌治療を優先したが皮膚症状は遷延した.ステロイドを併用して改善を得た.稀な病態の診断・治療においては他科と密に連携をとりチーム医療を行うことで医療の質を向上させることが重要である.
Received 27 Mar 2023 / Accepted 29 May 2023
田中 智
〒558–8558 大阪府大阪市住吉区万代東3–1–56
大阪急性期・総合医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 12(5): 261-264, 2023