ユーグレナグラシリスによる薬剤性肺障害が疑われた1例
福島 光基a 吉岡寿麻子a 澤井 豊光a 松尾 信子a 門田 淳一a 迎 寛b
a長崎みなとメディカルセンター呼吸器内科
b長崎大学病院呼吸器内科
症例は48歳,非喫煙者の男性.労作時呼吸困難を主訴に当科を受診した.発熱と低酸素血症を認め,CTでは両側肺野に広汎なすりガラス状陰影および浸潤影を認めた.気管支肺胞洗浄で好酸球優位の細胞数の増加を認め,薬剤誘発性リンパ球刺激試験でユーグレナグラシリス(サプリメント)が陽性であったため,薬剤性肺障害と診断した.ユーグレナグラシリスの服用を中止し,メチルプレドニゾロン(methylprednisolone:mPSL)1,000mg/日を3日間投与したところ,臨床症状および検査所見は速やかに改善した.
ユーグレナグラシリス 薬剤誘発性リンパ球刺激試験 薬剤性肺障害
Received 8 Jun 2023 / Accepted 14 Jul 2023
福島 光基
〒850–8555 長崎県長崎市新地町6–39
長崎みなとメディカルセンター呼吸器内科
日呼吸誌, 12(5): 251-255, 2023