指定難病患者データを用いたわが国における閉塞性細気管支炎の実態に関する調査
a藤田医科大学医学部呼吸器内科学
b名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科
閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans:BO)は呼吸不全をきたす難治性呼吸器疾患であり,わが国で指定難病に登録された.本研究は指定難病患者データを解析することでBOの臨床的特徴と生活状況の実態を明らかにすることを目的とした.91例の臨床調査個人票の情報から15例の新規認定者と36例の更新認定者のデータを解析し,典型的な臨床的特徴とさまざまな行動制限や精神症状を伴う生活状況の実態が確認できた.特発性BOは希少疾患であり,病態解明のために特発性BOと二次性BOを対象とした包括的で疾患領域横断的なレジストリ構築が必要と考えられた.
閉塞性細気管支炎 指定難病 臨床調査個人票 呼吸機能検査 絞扼性細気管支炎
Received 17 Mar 2023 / Accepted 18 May 2023
橋本 直純
〒470–1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1–98
藤田医科大学医学部呼吸器内科学
日呼吸誌, 12(5): 240-245, 2023