エルトロンボパグによる薬剤性肺障害の1例
稲田 祐也a 伊東 友好a 岩﨑 剛平a,b 水谷 亮a 篠木 聖徳a 田村佳菜子a
a関西電力病院呼吸器内科
bいわさきクリニック内科呼吸器科
症例は70歳,女性.14ヶ月前に好酸球増多症候群,特発性血小板減少性紫斑病の診断でプレドニゾロン(prednisolone:PSL),エルトロンボパグ(eltrombopag)が開始された.6ヶ月前にPSLのみ中止され,2ヶ月前より咳嗽,呼吸困難が出現した.CTで両野に浸潤影を認め,経気管支肺生検の病理所見は器質化肺炎であった.被疑薬の中止のみで症状,浸潤影は改善し,エルトロンボパグによる薬剤性肺障害と診断した.エルトロンボパグ投与の際には薬剤性肺障害の発症に留意する必要がある.
エルトロンボパグ トロンボポエチン受容体作動薬 薬剤性肺障害
Received 20 Jan 2023 / Accepted 20 Apr 2023
稲田 祐也
〒553–0003 大阪府大阪市福島区福島2–1–7
関西電力病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(4): 191-195, 2023