胸膜被覆術が気胸の再発防止に有効だったBirt-Hogg-Dubé症候群の4症例
石丸 裕子a 増永 愛子a 小松 太陽a 丸塚 孝b 鈴木 実c 坂上 拓郎a
a熊本大学病院呼吸器内科
b熊本中央病院呼吸器外科
c熊本大学病院呼吸器外科
Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群の肺病変は20代から認め,気胸を多く発症する.気胸は時に反復性難治性となり,気胸の発症は社会生活やquality of life(QOL)に支障をきたす.今回気胸の家族歴を契機にBHD症候群と診断され,気胸に対する胸膜被覆術が気胸の再発防止に有効であった1家系4症例を経験した.胸腔ドレナージやブラ切除術後に再発をきたした症例も胸膜被覆術後は再発なく経過しており,胸膜被覆術は気胸再発に伴うBHD症候群患者の社会生活の制限やQOL低下を予防できる可能性がある.
Birt-Hogg-Dubé症候群 嚢胞性肺疾患 気胸 胸膜被覆術
Received 12 Oct 2022 / Accepted 30 Jan 2023
増永 愛子
〒860–8556 熊本県熊本市中央区本荘1–1–1
熊本大学病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(3): 164-169, 2023