CEAが異常高値を呈した嚢胞を伴う濾胞性細気管支炎の1例
高澤 聖子a 岡本 師a,b 細谷 龍作c 榊原 里江a 石塚 聖洋a 宮﨑 泰成a
a東京医科歯科大学病院呼吸器内科
b東京医科歯科大学肺免疫治療学講座
c横須賀共済病院呼吸器内科
症例は,71歳,男性.20XX-2年9月,胸部CT上,右肺S2に浸潤影を伴う嚢胞性病変を認め,血清CEA 105ng/mL,縦隔リンパ節腫脹より原発性肺癌が疑われた.縦隔鏡による縦隔リンパ節生検,開胸右肺S2区域切除では悪性所見を認めず,慢性炎症による線維化病変と判断した.20XX年9月右下葉に嚢胞性病変が出現,術後低下した血清CEA値が再上昇した.手術検体の病理組織を見直すと,リンパ濾胞の過形成を認め濾胞性細気管支炎の所見であり,プレドニゾロン(prednisolone)30mg/日にて陰影は改善,CEA値も低下し,3年後も再燃はない.
Received 21 Dec 2022 / Accepted 2 Feb 2023
高澤 聖子
〒113–8519 東京都文京区湯島1–5–45
東京医科歯科大学病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(3): 154-159, 2023