COVID-19肺炎無治療軽快1ヶ月後に発症した難治性多発血管炎性肉芽腫症の1例
原 椋a 米田 太郎a 木場 隼人a 上田 宰a 森田 弘子a 渡辺 和良b
a国民健康保険小松市民病院呼吸器内科
b独立行政法人地域医療機能推進機構金沢病院呼吸器内科
症例は65歳,女性.新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)に罹患し,無治療で軽快したが約1ヶ月後に胸部CTで肺病変が増悪し,血液検査でMPO-ANCA陽性を認めた.腎生検で多発血管炎性肉芽腫症と確定診断し,リツキシマブ(rituximab)とステロイドパルス治療で改善した.COVID-19罹患後に血管炎を続発した症例の報告が散見されるが,COVID-19罹患後の血管炎の発症はCOVID-19の重症度からは予測できない可能性が示唆され,注意が必要と考えられる.
新型コロナウイルス感染症 抗好中球細胞質抗体 多発血管炎性肉芽腫症 半月体形成性糸球体腎炎
Received 14 Feb 2022 / Accepted 16 Feb 2023
原 椋
〒923–8560 石川県小松市向本折町ホ60
国民健康保険小松市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(3): 119-124, 2023