慢性気道感染症と鑑別を要し,クライオ肺生検で診断したIgG4関連呼吸器疾患の1例
松岡 涼果 藤原 慶一 市川 健 大森 洋樹 中村 愛理 藤原 美穂
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科
症例は78歳男性.以前より慢性気道感染症を指摘されていたが,喀痰検査や血液検査で原因は明らかでなく,陰影は自然に消退傾向となっていた.2年の経過で異常陰影の増悪を認め,経気管支クライオ肺生検によりIgG4関連呼吸器疾患と診断した.IgG4関連呼吸器疾患はさまざまな画像所見を呈するため診断が困難なことが多い.臨床所見,画像所見から慢性気道感染症を疑う場合にも,本疾患を考慮する必要がある.
IgG4関連呼吸器疾患 慢性気道感染症 細気管支炎 経気管支クライオ肺生検
Received 29 Oct 2022 / Accepted 17 Jan 2023
松岡 涼果
〒701–1192 岡山県岡山市北区田益1711–1
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 12(3): 114-118, 2023