間質性肺炎合併Sjögren症候群に蛋白漏出性胃腸症を発症した1例
新井 郷史a 間藤 尚子a 長嶋 孝夫b 新井 直人a 坂東 政司a 萩原 弘一a
a自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
b同 アレルギー膠原病学部門
77歳女性.12年前にSjögren症候群に伴う間質性肺炎と診断した.低用量の経口ステロイドで病勢は安定していたが,低蛋白・低補体血症を伴う浮腫と胸腹水貯留が急速に進行し,胸腔鏡検査では有意な所見を認めなかった.消化器症状を欠いたが,α1-アンチトリプシン試験および99mTc-HSA-D蛋白漏出シンチグラフィで蛋白漏出が確認され,蛋白漏出性胃腸症が病態の主因と診断した.Sjögren症候群において補体低下を伴う体液貯留では,消化器症状によらず本症の鑑別が重要と考え報告する.
Sjögren症候群 低補体血症 蛋白漏出性胃腸症 間質性肺炎
Received 14 Nov 2022 / Accepted 13 Dec 2022
新井 郷史
〒329–0498 栃木県下野市薬師寺3311–1
自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
日呼吸誌, 12(2): 79-83, 2023