冬季における家族内発症の夏型過敏性肺炎の2例
池田 早織 四方田真紀子 中村 彰宏 佐藤 太郎 淺井麻依子 細見 幸生
東京都立駒込病院呼吸器内科
症例は70代の同居する夫婦.妻が先に,その1ヶ月後から夫も労作時呼吸困難を自覚した.両者共に血清抗Trichosporon asahii抗体陽性で,胸部高分解能CTですりガラス陰影や小葉中心性粒状影が指摘された.夫については組織診断も実施し,肺胞や細気管支へのリンパ球浸潤や腔内器質化を認めたため夏型過敏性肺炎の確実例,妻は中確診例と診断した.ステロイド治療と環境調整で軽快し再発はない.発症も11,12月と好発時期でもなく,さらに家族内で発症した夏型過敏性肺炎は数少ないことから,ここに報告する.
Received 28 Jun 2022 / Accepted 1 Dec 2022
四方田 真紀子
〒113–8677 東京都文京区本駒込3–18–22
東京都立駒込病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(2): 65-68, 2023